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診療の紹介

イレバのはなし-02

歯医者はストレスの溜まる職業である。

剣豪小説に出てくる、名人、達人が、鍋蓋で、宮本武蔵の必殺の一撃をあしらうみたいな、省エネモ−ドで、できる仕事ではない。

私の場合、必死的、大苦労の果てに“やや難あり”くらいの感じで(あきらめて)仕上げとする事が多い。(仕上がればいいほうだ)

そんな毎日に雄々しく耐えていると、診療室に入るドアが重く感じられる。

修理屋をよんで、自動ドアに改造させようとも思うが、精神を充実させて診療にあたるほうが安上がりなので、自分に、克己を言い聞かせているのだ。

精神の充実が図られていても、診療内容に変わりが無い事はモンダイだが、それでも敢えて言おう、偉大な芸術は、全て未完成であると(言いたいものだ)。

支台装置のみ
上顎前歯群が、連結固定したセラミックス前装冠で補綴されている。裏側の銀色の部分に、ミリングという切れ込みが施してある。
この切れ込みがバネの変わりに、義歯の本体を支えるわけである。
症例画像
奥歯の欠損部に、鋳造式の義歯を装着したところ。
全く、バネが見えない構造である。
義歯部分装着時

○○さんとの、お付き合いは、実に6年以上におよぶ。
当然、最初からこのイレバを作る計画があったわけではない。
長年のお付き合いから、少しずつ、
最終的な落としどころを煮詰めていったのだ。
・・・・・・“愛とシ(歯)を煮詰めて”なんちゃって。ちょっと古すぎるかな。

支台装置のみ
下顎の前歯だが、上顎と、全く同様のシステムが施されている。
症例画像
同様に、奥歯の欠損部に、鋳造式義歯が装着された状態。
左右の横に見える棒状の突起は、着脱用のノブ。
義歯部分装着時

インプラントによる対応も、選択の余地は十分あったが、
ご本人の希望で、あえて局部義歯による補綴とした。
上下のアゴとも、歯槽膿漏がひどく、歯の残存状態を、
補綴に有利に改善するのに、治療期間の大部分が消費された。

支台装置のみ
症例画像
義歯部分をはずした状態。上下アゴの残存歯を、連結固定したセラミックス前装冠で補綴している。
義歯部分装着時
症例画像
同様に、義歯が装着された状態。審美的なシステムである。(パ−シャル・パラレル・ミリング義歯)

入れ歯

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