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お口のビョ−キは、大なり小なり全身のそれと相関しているので、歯医者も患者さんの全身コンディションの把握は必要だが、これが不如意なのだ。

保険診療では、初診時、患者さんの臨床検査など望むべくも無く、せいぜい問診や予診録で、状態を判断せざるを得ない。(言外のイミを察するとか、行間を読め、などと言うムキもあるが、これができる歯医者は、本業よりバラエティ番組がむいている)
患者さんは自分の基礎疾患等の告知義務はない、告知されても歯医者のナワバリ外の治療ができるわけはないが、少なくとも闇雲な歯科治療で患者さんに害をなす事は防げるであろうに、ご自分のビョ−キにはクチの重い方が、結構いらっしゃる。

〇〇さんのお子さんは、いつも、お母さんの手をひっぱって、嬉々として来院してくれたものだ。
純真な、ちいさいお子さんには、私の守護天使のような気高さがわかるからだが、治療を受けるのが、お母さんの〇〇さんだからでもある。

ウメの花の咲く頃、せいぜい数週間の予定で始めた、〇〇さんの歯の根っこの治療(感染根管治療)だったが、夏を迎えても、まるで効果がみられなかった。
それどころか、どのように慎重に対応しても、かえって腫れたり痛がったりするのである。
通常の“難治”とも明らかに違うレアものとて、懸命に原因を考え(私にも思考能力があるのだ)、口腔外科、および隣接医科(耳鼻科)への照会もしたが、皆クビをひねるばかりで、とんと解決しないまま、ついに秋の声を聞くまでになった。

ある時、もう何回したかわからぬ問診を、念のためやり直したところ、ご本人から『実はバセドウ病である』との告知があった。
実話も童話もない、バセドウ病とは、甲状腺機能亢進を原因とする、シリアスな病気である。

幸い、コントロ−ルは受けておいでだったが、主治医の先生からもらった臨床検査の数値をみると、治療の副作用で白血球もかなり減少している、これでは感染を繰り返すのも無理はない。
結局、歯医者的にはお手上げであり、もう少し状態が落ち着いてからの治療再開を選択せざるを得なかった。

〇〇さんには納得していただいたが、今のところ予診システムの改善(自白剤とかはダメか?)も、ままならず、忸怩たる思いでいっぱいである。

ご自分のビョ−キには触れられたくないのが人情かも知れないが、歯医者も医療機関であり、患者さんの情報は、個人情報保護法により安全である。
私はクチの硬い事には自信があり、家内に問い詰められてさえ、3度に1度は(気絶などで)クチを割らないほどだ。
そんなわけで患者の皆さんは、安心して必要な情報を、お教え願いたい。

衷心よりのグチ、いやお願いである。

 

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