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診療の紹介

Wait and wait and see/○○君の思い出

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臨床では、もっと極端なケースはいくらでもあるし、一例報告モノというわけではない。
ようするに○○君の思い出である。
当時10歳の○○君が、矯正の希望で、お母さんに連れてこられたのは、10数年前の、とある夏の暑い日だった。
普通に、アングルT級のガチャガチャの歯並びが、面長の屈託のない少年の笑顔の中に収まっているだけにみえた。
しかし重力のせいでもあるまいが、上顎、下顎ともにお顔から分離独立するかのように、下方向に成長していくような骨格のうえ、鼻閉もある。

(当時、ANB/1.1゜、FMA/40゜、O.D.I/50その他もろもろ)
将来を予測する事の困難さは、株価や結婚生活をみればわかるが、不都合な事態の予測はブキミなくらいよく当たる、眼疾もないのに患者さんの顔をまともに見れなかったりする。
骨格性反対咬合、開咬となりそうなのである。
さまざまな不都合な事態をさけるため、一般的T期治療(初期的対応)をした後は、思春期後半くらいまで、治療はせず、長期観察にとどめる事にした。

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18Yになり、成長がほぼ止まったと思われた時の状態。
ほぼ予測通りの骨格性V級開咬という状態になった。
V級関係の難易度に基づいて、下顎左右第一小臼歯の片顎抜歯によるV級仕上げをすることになり、約1年半をかけて下写真にみられる状態になった。

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○○君は、結局10年ほど通院してくれたことになる。
これほど長期に矯正に通ってくれた患者さんは、まだまだ何人もいらっしゃるが、○○君のお父さんが、倅や甥が通っていた学習塾の塾頭先生であったこともあり、治療の合間に思い出話をするなど、悪くない時間が過ごせたのはうれしかった。
なにより私の仕事が、○○君の輝ける人生に、いささかでも役にたつものであれば幸いである。

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この矢印が、千里の径庭!! 人生は邯鄲の夢の中!!


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