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診療の紹介

顎変形症の術前矯正

 フツー無から有は生じない。
ところが量子力学の世界では、全くの無(真空)から物質(素粒子)が出現するとされる。

 私だって負けてはいない、限りなく無に近い知識技術から、矯正治療など発生させているのだ。
 素晴らしい芸当であるとホメられてもよい気がするが、不勉強を詰られるだけなのが残念でならない。
そんなわけで、僭越ながら顎変形症を扱う機会がある。
 この顎変形症は、重篤な不正咬合でもあり、治療に際し、矯正治療単独、もしくは外科併用の治療上の判断が必要となる場合がある。

 もし外科併用と言う事になれば、前段階として術前矯正をする事になるが、これは手術でアゴを移動させた後でキチンと噛めるように、予め矯正で歯を動かしておくと言うモノである。
 この術前矯正の成否如何で手術自体ヘンにもなりかねないので、ウロンな対応ができようハズはないが、ウロンな結果になる可能性はある。
 それでもなんとか矯正をまとめあげ、尊敬してやまない外科のセンセイに、引き継ぎの外科治療の依頼をするのである。
 不出来の矯正につき、外科のセンセイは苦労するであろうが、私が依頼する皆さんは名医ぞろいであり、フシギに間違いはないのだ。
 このように私の矯正は、知識技術や結果といった瑣末なものに拘る事なく、雄々しく良心の呵責に耐える精神力を基本に成り立っている。
 患者さんを治療で救済する事はもちろんだが、なぜか私も魂の救済を求めたくなる毎日である。

 500人からの、悪意に満ちた陪審員の前でも堅忍不抜を貫きとおしたソクラテスに、 そこまでなれるヒケツなど、イタコを介してでも聞きたい気がする。

before
Skeletal CLV with severe crowding and open bite(Adult/♀)
〇〇さんは、某先生のご紹介で私におかかりになった、開咬を伴った骨格性反対咬合の方である。やや下顔面高が大きいが、正面からみた、顔面の非対称はほとんどない。

歯に限った治療ハードルもスンごい、と言うしかない。上顎の前歯に、小児期のケガが原因で、骨性癒着があり、コントロール不可能でもある。
さらに、これが、やはり、形態に問題のある骨格に収まっている。
after
術前矯正終了後のお顔
〇〇さんの美の道は、いまだ険しい。下顎枝後退術と、オトガイ形成術の適用を計画中。また、前歯の審美的対応を、紹介元の先生にお願いしておいた。

約2年を要した、デンタルコンペンセーションのレベリングによる術前矯正の結果。
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ここから外科の予定
〇〇さんのモケイによる手術後の顎位のシュミレーション
ここから外科の予定
術前矯正治療における、外科手術後の顎位と咬合のチェック。(ご紹介の先生のたっての要求で、既存の銀歯が撤去できなかったので、そこだけヘンテコになっている)
右、下顎後退手術後の顎位の予想。左、現状の咬合状態。

 

【外科矯正の回避】

18Y/男性。骨格性の要素の強い開咬症だが、
矯正用インプラントの応用で手術しなくてもなんとかなるのだ。
約6ヶ月後の状況、まだ治療中だが、ここまでくれば一安心。

 

【イレバと外科で対応した顎変形症】

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美人でいらっしゃいますが、お鼻から下のパーツに多少トラブルが…。
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文句なし!ますます美人になられました。お口の中は、義歯的対応をしています。

FACE IS FIRST

 歯科医療全般に言えることだが、痛みや当座の苦痛が取り除かれた後の落としどころは審美である。
 健康と機能美にあふれた噛み合わせが、素敵なスマイルができるお顔におさまって、はじめてよい歯科治療と言える。
 さらに、お顔の審美性の改善も、ある程度までは歯科のナワバリで対処できるのだ。
ときどき臨床の現場で、上下の前歯の噛み合わせが逆なのに、上アゴの前歯全部をそのまま無理矢理(としか思えない)、しかも自費治療のセラミックスで、補綴されている患者さんを拝見する事がある。
 要するに、お顔の審美性に対する配慮を全くされていないのだ。
 ○○サンは、そんなお一人であった。

 白状すると、はじめてみえた患者さんには、ひそかな悪戯心としてノ−ミソの中で適当に治療する事がある。(ノ−ミソの中の事だから、お金も治療期間も、思いのままなのだ)
例によって、してあげられる事は整理券が必要なくらいノ−ミソから迸ったが、たまたまド−パミンの分泌がよかったこともあり、治療を持ちかけると有難い事にご理解を頂けた。
 その上、このホ−ムペ−ジへの写真の掲載もご許可頂けた。。
 ちょっと面白いのだが、こういうパタ−ンでは、ご主人からはなかなかご許可が頂けない場合があるのだ。
 あんまり美人にしすぎるのも、考えものだったりして。

骨格性反対咬合の外科的対応
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反対咬合が主訴の〇〇さん(成人/♂)

15年以上前の患者さんでもあり、経緯は少々うろ覚えだが、この段階で術前矯正を切り上げ、某大学病院に、下顎の後退手術を依頼した。

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外科後のお顔、一般矯正では、絶対にこうはならない。

上顎前歯などに、修復の必要があるが、
ご本人は大満足された覚えがある。


before        
 やはり10年ほど前に“歯列矯正”でおかかりになられた〇〇さん。

やや下アゴが左に偏位されてますが、お口の中も改善の余地があります。
after        
 “歯列矯正”のみで得られた術後のお顔。

歯列矯正のみで、という治療条件であった。デンタルコンペンセーションがとれていないなど、やや苦しいモノがあるが、ご本人は満足されたようである。
このように、治療選択の幅は大きいし、やはり患者さんの満足が一番だと思う。

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