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矯正治療のハナシ
矯正は、狭い口腔の、それも一部エリアにおける歯の配列具合を、ウンヌンする治療である。
しかし、それにより得られる数ミリ、1度2度といった差が、歯列のみならず顔まで含めた審美や機能の千里の逕庭を生むのだ。 |
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「治療の開始時期」
見敵必戦
矯正治療の考え方、手法手技はセンセイの数だけあると言ってよく、そのどれ(ナントカ法、カントカシステム)であろうと、ヒトの好ましい歯並びを作るという治療目標には、フシギに到達できる仕掛けになっている。
そんなわけで、“矯正の好ましい開始時期”と言っても、絶対の正解はないように思うが、早期(成長期)からの(少なくとも)受診は望ましい。
例えば、子供の患者さんの専門的観察から、将来の不正咬合発現に結びつく、指しゃぶり、口呼吸、交叉咬合等を発見、指摘してあげるだけでも重要なイミを持つ事がある。
これで案外治ったりもするからだが、生憎、効果がなく、治療的介入が必要になった場合、いわゆる2段階治療という事になる。
第一期治療で例えば前歯の被蓋を治したり、骨格の成長や習癖の整備をし、永久歯が生え終わり、成長も定まった頃、仕上げの第二期治療を行うと言うモノである。
ただし、コトはそう単純ではない、ここらへんから専門家の意見の分かれるところである。
例えば、上顎前突の症例など、第一期治療で一時的に効果がでても、その後、下顎が下後方に引っ込んでくる成長を来たすタイプや、下顎が旺盛に発育するタイプの反対咬合など、第一期治療を飛ばして、第二期にまとめて治療したほうが合理的である。
この判断が案外、難しいのである。
そんな中でも、明らかに、早期の第一期的矯正治療が望ましい場合はある。
例えば、正面から見たお顔が非対称な成長期のお子さんなどは、上顎の拡大で顎位のズレを治す事で、将来の外科手術を回避できる場合がある。
また、反対咬合は、下顎が大きいというより上顎が小さいタイプも多く、成長期に、積極的な上顎の骨格の、前方牽引療法が効果的である場合が少なくない。
顎関節疾患も早期の、例えば過蓋咬合の矯正治療で、将来の発現が予防できたりする。
これらに限らず、成人期まで放置された事で、骨格の治療機会を逸し、歯だけに限局した対応をせざるを得ない不正咬合に遭遇する事は多い。
結果が全てと言うならそれまでだが、やはり、子供さんの不正咬合を、テをこまねいて見ているのは気がひけるではないか。
“見敵必戦(テキを見たら勝ち負け関係なし)”と言う、イギリス海軍の伝統的スローガンがある。
いささかガラッパチめいた気がしないでもないものの、“時期の適切”さを求めて、対応を延々と先延ばしする、どこぞの国の国会より、その潔さが、私は好きである。
| Dr.Ricketts(矯正界の巨人のひとり)は、私の心の師である。彼を知って30年になるが、むこうはこちらをまるで知らないと言う、淡きこと究極の、君子の交わりをして来た。○○さんのDeep
over bite(深い前歯の噛みあわせ)治療に限らず、彼の手法をマネする事は多いが、さすがに大変難しく、有体に言ってウマクいかない事も少なくない。私の実力のせいだという声が圧倒的な中、彼の教科書の誤訳の可能性もあり、直接聞いてみたいのは山々だが、すでに天国の住人でいらっしゃる関係で、それもままならぬ。どなたかよいイタコの方など、ご紹介いただけないだろうか。 |
「成長期の矯正治療」
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「顔面の非対称と矯正」
成長期と成人の2症例につき、以下、供覧する。成人症例は顎関節のダメ−ジ、骨格の左右差が残るなど、治療効果は歯列に限定的なものになっている。
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成長期のお子さんの、アゴの非対称にはよく遭遇するが、本人はもちろん、ご両親にも意外に病識をもたれないもののようである。
早期治療が有効な場合が多く、拙文の中に、いささかでも情報をつかんで欲しいと思う。
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| 【あたしのジョ−】 |
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「抜歯と非抜歯の問題」
結論から言えば、人種的に東洋人、ことに日本人における矯正治療は、抜歯は高頻度にならざるを得ない。
抜歯・非抜歯は、顔つき、ことに口元の審美的仕上げが可能か、最後に生える12歳臼歯が、無理なくいい位置をしめうるか、術後の安定性はどうかなどの戦略的思考の上で決定されるものである。
一概に、非抜歯矯正だからグレ−ドが高いと言えるものではない。
非抜歯で矯正を受けたとて、ひよっとこみたいな顔にされて誰が喜ぶと言うのだろう。
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「実際の矯正治療のすすめ方」
まず、“診査”だが、これから症例のイメ−ジを作るステ−ジが始まる。
写真や模型、レントゲン、PCも駆使して(あるいは駆使されて)、なるたけ客観的なデ−タ−を集める。
ついで、“診断”というステ−ジになる。
得られた診査結果から、そもそも治療を実施するか、もし実施となればどういう治療目標を立てるか、治療方法はどうするかなど、最終的な互いの感情移入がなされる。
いよいよ“治療開始”ともなれば、ワイヤ−が装着されるわけであり、メカニクスの働きで確かに歯並びはどんどんよくなっていく。
表側からの装置だろうと裏側からだろうと、ブレ−スが銀色だろうと透明だろうと、ちゃんと治る事が肝心なのだ。
尚、アメリカでは白人患者さんの過半数は、表側のテクニックかつ銀色のブレ−スを使用しているとの統計がある。
最後が“ワイヤ−撤去、保定”である。
ワイヤ−はなくなるが、これも重要なステ−ジである。
ヒトは治療の為に生きているわけではないし、患者さんの身にしてみれば出来ればここらでグットバイしたいというのも、無理からぬところがある。
ただし、治療の全期間を通じて、あるいはワイヤ−が撤去された後も、例えば目にみえない機能という、大きなトラブルの、積み残しがある場合がある。
一般には馴染みが無い言葉で恐縮だが、ヒトの顔とそのまわりの形態には、目に見えない呼吸とか、嚥下、姿勢といった機能があり、それらの不全と歯列の形態不全は裏腹の関係にある。
従って、歯並びが治ったあとも、これらの不具合が不安定要因になったりするので、ある程度の期間、観察とフォロ−は必要である。
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| 11ages/♀、ゼンソク、鼻アレルギ−あり |
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なんとか治った、といいたいところだが、
まだブレ−スが装着されているのには理由がある |
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成人/♀成長期の気道障害にもとずく習癖性口呼吸あり。
(多分にそれが原因の不正咬合である) |
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一応、フィニッシュ。
“歯列上”のトラブルは改善したが、
口呼吸の習癖はなかなかとれない。 |
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1年後、案の定(口呼吸のため)chin contorolが失われて、
開咬状態となってしまった。 |
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| afterのafterのafter |
まだ咬み合わせは甘いが、わずか1ヶ月の呼吸訓練で、
ここまで改善する。(全く器具は使っていない) |
「筋機能療法」
「矯正治療と審美歯科」
30年ほど前、矯正はお子様ランチの世界であった。
私は、小さい患者さんたちと精神年齢が近接している事もあり、診療は“ジ”でいけたが、今や、オフィスでは成人矯正の割合が激増している。
こうなると、こちらが精神上の成熟を装わねばならないというハンディのほか、治療上も一線を画す対応が必要である。
そもそも成人は、明確に社会的優位性を求めて来院するのであって、矯正プラスアルファという治療となる事は少なくない。
結論を言えば、審美修復が必須の仕上げとなる事が多く、歯並びの改善は、あくまでも治療の一部という事になる。
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| ファンキ−というか、パンクというか、インパクトは確かにある。(成人/♀) |
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