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ダイ齒−ド2


ひとスジ縄でいかない歯科治療克服を“えがわ語”で、“ダイ齒−ド”と呼ぶ。
これは単なる難症例とも違い、明らかにウンや星の巡り合わせと関係している。
長年、様々な経緯の“ダイ齒−ド”と向き合って来たが、いずれ劣らぬ血湧き肉躍るドラマの数々であった。

例えば、1年以上の時間と、それなりのお金をかけて作ったイレバを、翌日、冗談のように、奥さんにゴミで出された方がいた。(実話である)
もちろん文句は言ったが、『ハナ紙に包んでコロがしていた、アンタが悪い』と一蹴されてしまったそうだ。
フツ−こうなれば、イレバの事を考えるのもイヤになるであろうが、ゴミまみれで来院し、『もう一度、最初から作ってくれ』と言うのが“ダイ齒−ド”なのだ。

○○さんの場合も、“ダイ齒−ド”度において出色だが、実は、私のHPのコラム“義歯のはなし02”に書かせて頂いた方である。
そもそもくだんのエピソ−ドは、6年間もの紆余曲折を経て計画し、作製したイレバのハナシであった。
これだけで立派に“ダイ齒−ド”であり、ハッピ−エンドと思われたのだが、やはり、平均的人間の人知を超える何かはある、義歯が完成してわずか1年後の事故で、あっけなく上顎の義歯はオシャカになってしまったのだ。

当時の○○さんのお気持ちを忖度するに、よほどこのイレバに思い入れがあったのだろう、私に依頼したリカバリ−は、超“ダイ齒−ド”であった。
要するに『もっと良いものにしてくれ』と言うのだが、例によって、コトはそう単純ではない。
もはや義歯的対応は難しいので、難問山積ながらインプラントを採用したが、これだけで一例報告ものである。

治療の仔細をちょっとだけ述べると、高血圧の内科的コントロ−ルだけで2年を要し、尚且つ、全身麻酔下でのインプラント埋入(サイナスリフト)、その固着に1年、上部構造体作製に約3ヶ月、都合、全治3年以上という、時間的にも物凄いモノであった。
○○さんは元より、私とて死ぬる思いであったが、なんとかご期待にそう事ができたようである。

なにより、次なる“ダイ齒−ド”のない事を願いたい(本当に心臓に悪い)、霊験あらたかなる神社仏閣など見繕って、○○さんと詣でようと思う。


before
事故直後である。上顎義歯を支えていた前歯が重篤な損傷を受け、再び、同部位を利用した補綴は好ましくないと判断した。臼歯部の骨量が少なく、そのままではインプラント埋入は難しいなど、難問山積であった。
症例画像
after
全身麻酔下にて、サイナスリフト併用、10本のインプラント体植立を行った。

 

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